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ゲーム大会では、対戦機やPCのHDMI出力を離れた配信卓まで届けたい場面があります。HDMIケーブルを長く引き回すのが難しい会場では、LANで映像を送るHDMI over IPエクステンダーが選択肢になります。
ただし、LANにつなげばどの機種も同じように動くわけではありません。対応する映像信号や遅延、受信先の数は機種ごとに違います。会場のスイッチ設定と空き帯域も見ておきたいところです。
4製品の違いは、送信先の数、4K60対応、LAN帯域の使い方に表れます。まずは早見表で、各製品の役割を押さえましょう。
候補を早見
| 製品 | 映像・遅延 | LAN伝送 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| AV Access 4KIP100-KVM | 4K30、または1080p120。公称ゼロ遅延 | Cat5e以上、最大120m | 1対1でキャプチャー機器へ送る |
| AV Access 4KIPJ200Eと4KIPJ200D | 4K60、4ms未満 | Cat5e以上、最大100m | 複数の配信先へ振り分ける |
ATEN VE8662 | 4K60、3〜5フレーム | Cat5eまたはCat6、1対1で最大100m | H.265でLAN帯域を抑える |
| Extron NAV E 101とNAV D 121 | 4K60、1フレーム未満 | Cat5e以上、最大100m | 業務用の低遅延マトリックス伝送 |
表の遅延はエクステンダー部分の値です。キャプチャーやスイッチャー、配信エンコードの処理時間も加わります。配信映像が届くまでの時間は、別に考えてください。
価格は販売店や在庫、購入時期によって変わります。送受信機が別売りの製品は、1台分の価格だけでは総額をつかみにくいもの。必要なエンコーダーとデコーダーをそろえた金額で比べてください。
LAN伝送の前提
HDMI over IPは、映像をIPネットワーク経由で送る仕組みです。送信機からLANスイッチへ送り、受信機から配信卓のキャプチャー機器やスイッチャーへ出力します。これが基本の経路です。
1対1なら設定は比較的シンプルです。複数の卓へ同じ映像を届けるときは、マルチキャスト対応スイッチとIGMPなどの設定が必要になります。設定が整っていないと、不要な映像データが別のポートへ流れることもあります。
4K60はデータ量が大きく、製品によっては1ストリームで最大900Mbpsに達します。1Gbps対応のLANでも他の通信と共有すれば、帯域に余裕がなくなる可能性があります。スイッチの空き帯域や上位回線も確認しましょう。
Cat5e以上で100〜120m送れる製品でも、配線の品質や中継機器は現場ごとに異なります。本番当日の初接続は避けたいところ。実際に使う映像設定で事前に映像と音声を通しておくと安心です。
4KIP100-KVM
AV Access 4KIP100-KVMは送信機と受信機のセットで、DIPスイッチで組み合わせる1対1専用です。対戦機1台から配信卓のキャプチャー機器1台へ送る構成に適しています。
最大4K30Hzの4:4:4、または1080p120Hzに対応します。4K60には対応しませんが、フルHDで120Hzの映像を配信卓へ送りたい大会なら、この上限で足りるか確認できます。
メーカー公称の遅延はゼロで、これは延長器の仕様値です。キャプチャー機器や配信ソフトにも処理時間があるため、配信全体が遅延ゼロになるわけではありません。選手用モニターへ送る映像経路は配信卓向けと分けて考えましょう。
Cat5e以上で最大120m伝送でき、HDMI音声は最大7.1チャンネルです。HDCPは1.4まで。PoE給電には対応せず、送信機と受信機の両方に12V電源が必要です。
AV Access 4KIP100-KVM
Amazonで探す4KIPJ200
AV Access 4KIPJ200Eと4KIPJ200Dが送信側と受信側です。機器は別売りで、1対1から1対多、多対多まで構成できます。複数の配信卓や実況卓へ映像を分配する大会で使えます。
最大3840×2160、60Hz、4:4:4に対応します。HDMI 2.0とHDCP 2.2、2.3を扱います。メーカー公称の遅延は4ms未満。4K60を配信卓へ送り、低遅延も重視する大会に適しています。
4K60時のデータレートは平均650Mbps、最大900Mbpsです。1ストリームでもギガビットLANの大部分を使うため、複数映像を同時に流す場合はスイッチ構成が重要になります。マルチキャストにはIGMP Snooping、Querier、Fast Leaveなどの設定が必要です。
Cat5e以上のケーブルで最大100m伝送できます。PCM 7.1やDolby Atmos、DTS:Xなどの音声に対応し、アナログ音声出力も備えています。各機器はDC電源またはPoE+で給電できますが、LAN帯域に余裕のない会場では事前確認が欠かせません。
AV Access 4KIPJ200Eと4KIPJ200D
Amazonで探すATEN VE8662
ATEN VE8662は送信機と受信機の機能を1台にまとめたトランシーバーです。モードを切り替えて使い、通常は2台で送受信します。基本は2台で1組、と覚えておくと分かりやすいでしょう。
H.265圧縮で4K60Hz、4:4:4の映像を送り、平均データレートは20〜25Mbpsです。LANの空き帯域を保ちたい大会や、既設ネットワークに大きな帯域を割けない現場で使えます。
仕様上の遅延は3〜5フレームで、60fpsの映像では約50〜83ミリ秒です。配信卓での確認映像には使えても、選手が操作する画面へ戻す経路には適しません。実際のゲーム機とキャプチャー機器で確認してください。
HDCP 2.2と2.3、HDR10に対応し、Cat5eまたはCat6で1対1接続時に最大100mです。受信機モードではHDMI出力があり、PoEまたはDC給電に対応します。PCM音声は2チャンネルなので、多チャンネル音声を配信卓へ渡す場合は接続経路を確認しましょう。
Extron NAV
Extron NAV E 101とNAV D 121は、業務用のエンコーダーとデコーダーです。各機器は別売りで、NAV D 121は2025年4月に出荷が始まりました。複数の映像入力と出力をネットワーク上で切り替える大会運営に使えます。
独自のPURE3コーデックは、映像を視覚的にロスレスで伝送します。最大4K60Hzの4:4:4に対応し、この条件では8bitです。HDCP 2.3にも対応しています。エンコードとデコードの遅延は1フレーム未満で、画質と低遅延を重視する大会向けです。
映像ビットレートは250〜900Mbpsに調整できます。1Gbps Ethernetを使い、IGMPv2とv3のマルチキャストや複数機器間のマトリックス切替に対応します。配信先ごとに映像を切り替えるなら、スイッチ設定と帯域設計も整えてください。
Cat5e、Cat6、Cat6a、Cat7で最大100m伝送できます。PoE+または12V DC給電に対応し、EDID MinderがEDIDを管理します。複数の出力先がある環境で、映像設定を調整するときに役立ちます。ネットワーク設計も含めて見積もる製品です。
Extron NAV E 101とNAV D 121
Amazonで探す結論
キャプチャー機器1台へ送るシンプルな構成なら、AV Access 4KIP100-KVMがおすすめです。4K30または1080p120で足りるか、HDCP 1.4で問題ないかが判断の分かれ目です。
複数の配信先へ4K60を届けるならAV Access 4KIPJ200、LAN帯域を抑えたいならATEN VE8662を選べます。低遅延の業務用マトリックス運用を組む大会にはExtron NAVが適しています。ネットワーク設計も合わせて進めてください。
必要な受信先の数、映像遅延、LAN帯域、給電方法も確認しましょう。価格は時期や構成によって変わるため、必要台数をそろえた現行の総額で比べるのが確実です。
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